2022.4.25

商業施設内のCO2濃度・温湿度の可視化による、空調制御

AI / IoT

環境

プロジェクトメンバー 京葉瓦斯株式会社、センスウェイ株式会社
フィールド名 柏の葉T-SITE
目的 建物内CO2濃度や温湿度を可視化し、空調制御を最適にすることで、施設の省エネと利用者の快適性を両立した空間を実現する。
実施期間 全体構想:2019.10~
実証実験:2020.1.1~2022.12.31(予定)
プロジェクト概要 ・LoRaWANという無線長距離通信を用いた無線センサーを屋内に30箇所設置し、CO2濃度・温湿度データを取得。(温湿度CO2センサー×10個、温湿センサー×20個を設置)
・センサーの電源は電池式、通信は無線なので電気工事などが不要で容易に導入が可能。
・取得したデータはアプリケーションで可視化。測定数値を色分けして表示することで、設備に詳しくないスタッフでも一目で状況がわかる構成とした。
成果(知見、データ) CO2濃度のモニタリングにより、
①館内の混雑度の把握
②換気設備の最適運用
に貢献できた。
①LoRaWANセンサーによるCO2濃度測定結果と館内滞在人数の相関性について
・CO2濃度と滞在人数に一定程度の相関性があることが実証実験結果として得られた。
・コストがかかりプライバシーの問題もあるカメラやデータ容量の大きい設備を設置しなくても、別の尺度で館内のどこに人が集まっているかが簡易的に確認できることが分かった。
②CO2濃度測定による全熱交換器(換気設備)の運用変更について
・CO2濃度を計測した結果、土日の14:00~18:00の時間帯がCO2濃度が高いことが判明。加えて、全熱交換器の従来運用である6:00~9:00の時間帯は、運転前と比べて室温・CO2濃度ともに大きな変化は見られなかった。
そこで、全熱交換器の運転時間を変更。
<従来運用>全日6:00~9:00 稼働、年間運転時間:1,095時間
<変更後運用>全日8:00~9:00 + 土日14:00~18:00 稼働、年間運転時間:749時間(▲346時間)
・開店前の8:00~9:00は臭気対策として稼働。
・運用変更による稼働時間の削減により、約10%の光熱費を削減。
課題 CO2濃度や温湿度に合わせて空調を自動制御できるシステムの構築(既存設備への導入)
企業からの声 柏の葉T-SITE様での実証実験を通じて、IoTを活用した空調制御について知見を深めることができました。取得したCO2温湿度データを活用して、空調・換気に対する運用改善提案を行い、実際に省エネを実現することができたことは大変良い経験となりました。実証実験フィールドをご提供頂いた柏の葉T-SITE様をはじめ、関係者の皆様には心より感謝申し上げます。今後も空調の運用方法等、省エネに貢献できるご提案を継続して行って参ります。京葉ガス株式会社
法人営業部 ソリューションセンター 法人第一グループ 第二チーム
渡邉大智さん
リリース 京葉ガスとセンスウェイ、商業施設向け空調 IoT ソリューションを共同開発 ~IoT を活用した空調制御によって快適空間を実現、柏の葉 T-SITE へ導入~
メディア掲載 メディア掲載 一覧
ステージ


▲アプリケーション イメージ画面/測定点をクリックするとその点の時間変化をグラフで表示


▲センサー イメージ画像(LRCTHA)